一人を殺すのは殺人者で百万人を殺す者は英雄なのか
【名言名句】
一人を殺すのは殺
人者で百万人を殺す者は英雄なのか
【解説】
これは、映画『殺人狂時代』(一九四七年制作)のラストシーンでの、チャップリン扮する保険金殺人を重ねた主人公アンリ・ヴェルドゥのせりふである。
戦場で武勲をたてれば英雄として勲章がもらえる。武勲は、いかに多くの敵を殺し、損害を与えたかによって評価される。国を守り、国の威信のために人殺しをするとたたえられる。
しかし、平時に一人でも殺人を犯せば犯罪者である。同じ人殺しなのに一方でたたえられ、一方では非難されるのはおかしい。人殺しは人殺しだ。「戦争を商売にしている人たちに比べれば、私は殺人者としてアマチュアです」も『殺人狂時代』の反戦メッセージである。
【作者】チャールズ・チャップリン
【生没年】1889~1977
【職業】イギリスの映画俳優
【出典】『チャップリンの殺人狂時代』
【参考】この反戦メッセージは、第二次世界大戦の戦勝国のアメリカ市民の感情を逆撫でした。批評家、観客の非難は、上映ボイコット騒ぎを起こし、五年後にチャップリンがアメリカを追放されるきっかけとなった。
| あすとろ出版 (著:現代言語研究会) 「名言名句の辞典」 JLogosID : 5450327 |