あなたの知らないところにいろいろな人生があるあなたの人生がかけがえのないようにあなたの知らない人
【名言名句】
あなたの知らない
ところにいろいろな人生があるあなたの人生がかけがえのないようにあなたの知らない人生もまた かけがえがない人を愛するということは知らない人生を知るということだ
【解説】
人と出会うという体験は奇跡的なことだと感じたことはないだろうか。今ここにいる自分と、同じく今ここにいる相手とがただ出会うのではない。それぞれがかけがえのない人生を生きているのである。そのことをお互いが承認し尊重する。このような出会いには、年齢や地位などは関係がないのだ。
人間とは弱い存在で、ともすれば愚かしいエゴイズムにおちいってしまうのだが、その都度この地点に立ちかえりたいものである。相手を信頼し、尊敬し合う出会いから育まれる愛は、相手とその人生に向かうものとなるはずである。
灰谷は、この本のあとがきに、「いい人というのは、他人の痛みを、自分の痛みのように感じてしまう人なのだ」と述べている。
【作者】灰谷健次郎
【生没年】1934~2006
【職業】児童文学作家
【出典】『ひとりぼっちの動物園』
【参考】灰谷健次郎は十七年間教師として勤めたあと、作家となった。一九九七年、神戸連続児童殺傷事件の際、新潮社の写真週刊誌『フォーカス』が少年法に違反して加害者の少年の写真を公開したことに対し、「加害者の少年も保護されるべき存在」であるとして抗議した。そして新潮社への執筆拒否を宣言、同時に、代表作『天の瞳』を含むすべての版権を新潮社から引きあげた。
| あすとろ出版 (著:現代言語研究会) 「名言名句の辞典」 JLogosID : 5450307 |