人間というものは、結局は消化器と生殖器から成り立っているのだ
【名言名句】
人間というものは
、結局は消化器と生殖器から成り立っているのだ
【解説】
古代ローマの哲学者キケロにとっては人間を人間たらしめている本質は古典的教養であった。ルネサンス人は「万能」に、カントは「理性的道徳的人間」に人間の本質をみた。人間性は、人間のうちなる動物性と区別される精神的諸特性の総体と考えられてきた。
しかし、その精神的諸特性とやらも、せんじ詰めれば食欲性欲に帰納する。動物との違いは、欲望を愛に変換できる品格(ペルソナ)だけである。
【作者】グールモン
【生没年】1858~1915
【職業】フランスの作家
【出典】『随想』
【参考】グールモンはフランスのノルマンディーの名家に生まれた。大学卒業後、パリで国立図書館の司書となるが、一八九一年国政を風刺する著作によって罷免される。二十代に、狼瘡という病気で顔面が醜く変形、その後はごく親しい友人以外とはつき合わず、自室にこもって読書や執筆の生活を送った。この言葉はそうした孤独から生まれた皮肉な感情から発したものか。小説、詩から言語学、美学に関する評論や時評まで膨大な著作を残し、哀感と気品にあふれた詩は今日まで愛されつづけている。
| あすとろ出版 (著:現代言語研究会) 「名言名句の辞典」 JLogosID : 5450228 |