人と意見が一致しなかったときは、どうするか。忌憚なくわが思うところを述べたのち、決裁すべき人が..
【名言名句】
人と意見が一致し
なかったときは、どうするか。忌憚なくわが思うところを述べたのち、決裁すべき人があれば、その決裁にまかせる。多数決によるべきものならば、採決にまかせる。その決裁や決議に服することができないほどの深刻な問題ならば、地位を去る。もしまた、自分が決裁すべき地位にいたなら、決裁後の論議は許さない。
【解説】
物事を決めるにあたってとるべき態度の指針である。四つの場合にとるべき方法を述べているのだが、前の二つについては、まず、問題はあるまい。
四つ目の場合は、決裁の方法や結果がどうあろうとも、論議は許さないが、最終責任はとる、ということだ。強い意志が必要であるが、リーダーとしては当然こうあらねばなるまい。
最も難しいのは、三つ目の場合だ。自分の正しさ、思うところを主張し、妥協できない場合である。決裁や採決が、必ずしも納得できない場合には、地位を去ることによって主張の正しさを表明する。ここまで腹をくくるには、よほど勇気がなくてはなるまい。
【作者】小泉信三
【生没年】1888~1966
【職業】経済学者
【出典】『朝の思想』
| あすとろ出版 (著:現代言語研究会) 「名言名句の辞典」 JLogosID : 5450204 |