【名言名句の辞典】1人生 > 老いとともに生きる
若きにもよらず強きにもよらず思い懸けぬは死期なり

【名言名句】
若きにもよらず
強きにもよらず思い懸けぬは死期なり
【解説】
賀茂の祭りを見ながら、兼好は無常感を覚える。若きも強きも死ぬときは、いっさい関係がない。
祭りの桟敷の前を行きかう人たちを見て、自分があの人たちより長生きするとしても、結局は間もなく自分も死を迎えることになるのだ、と兼好は思う。葬儀場で送られる人の多い日はあっても、送られる人のない日などないではないか、と。
当時は、現代よりも突然死や若年死が、はるかに多かったであろうから、無常感も大きかったであろう。いずれは、自分も死ぬべき身と思いながら、生きながらえている不思議をいまさらのように書きつづっている。
【作者】吉田兼好
【生没年】1283頃~1353頃
【職業】随筆家
【出典】『徒然草』
![]() | あすとろ出版 (著:現代言語研究会) 「名言名句の辞典」 JLogosID : 5450142 |