【名言名句の辞典】1人生 > 老いとともに生きる
人間はとしをとるにつれて一種のあきらめ自然の理法にしたがって滅んでゆくのをたのしむといったふうな

理法:道理。法則
【名言名句】
人間はとしをとる
につれて一種のあきらめ自然の理法にしたがって滅んでゆくのをたのしむといったふうな心境がひらけてきてしずかな、平均のとれた生活を欲するようになるのですね
【解説】
老人の枯れきった詠嘆、といったような言葉である。
年をとると精神的・肉体的な老いは確実にくる。老いるのをとどめようとしても「時」に容赦はない。若さを取り戻すことは、どうあがいても無駄である。
無駄を悟ったとき、執着から解き放たれ自由になる。執着がなければ不安はない。やすらかに身も心も自然のままにまかせる境地にいたる。
「ちょいとここらで土になろうか」は一休さんの死に対しての心の対応である。
【作者】谷崎潤一郎
【生没年】1886~1965
【職業】作家
【出典】『蘆苅』
【参考】谷崎は七十九歳まで生きたが、六十歳ごろからは高血圧症、右手の麻痺、狭心症の発作など病気に苦しむことが多かった。
![]() | あすとろ出版 (著:現代言語研究会) 「名言名句の辞典」 JLogosID : 5450136 |