すでに生きてしまった一つの人生はつまり下書きでもう一つのほうが清書だったらねえ
【名言名句】
すでに生きてしま
った一つの人生はつまり下書きでもう一つのほうが清書だったらねえ
【解説】
だれしも一度や二度は、人生をリセットしてやり直したいと思ったことがあるのではないだろうか。もし、これまでの人生が下書きだったら、清書は失敗しないように気をつけるのに。完璧に仕上げるのに…。しかし、だれもがわかっているように人生にはリセットボタンもリバーススイッチもない。
「もう一つの」清書などなく、毎日が清書なのだ。そう思って気持ちをひきしめたら、少しは書き損じが減るだろうか。それとも、書き損じもまた人生の味わいと達観できるか。
【作者】チェーホフ
【生没年】1860~1904
【職業】ロシアの作家
【出典】『三人姉妹』
【参考】『三人姉妹』はチェーホフの四大戯曲の一つ。若く、美しく、才能にあふれた三人姉妹が田舎町での退屈な生活の中で、かつて暮らしたモスクワへ戻ることを夢見ながら、変わらない現状に悩む姿を描く。一九〇一年に上演されて大成功を収めた。
| あすとろ出版 (著:現代言語研究会) 「名言名句の辞典」 JLogosID : 5450116 |