人生の競技場に踏みとどまりたいと思ふものは創痍を恐れずに闘はなければならぬ
創痍:体に受ける傷
【名言名句】
人生の競技場に
踏みとどまりたいと思ふものは創痍を恐れずに闘はなければならぬ
【解説】
人生が競技場であるかぎり、参加する者は闘わねばならない。闘うことによって傷つくことは避けられないが、それをおそれては生き残れない。
【作者】芥川龍之介
【生没年】1892~1927
【職業】作家
【出典】『侏儒の言葉』
【参考】芥川龍之介の思想を定着したとされる箴言集『侏儒の言葉』には、現代に生きる老若男女にもぴたりとあてはまる言葉が多い。「『侏儒の言葉』は必しもわたしの思想を伝へるものではない。唯わたしの思想の変化を時々|窺はせるのに過ぎぬものである。一本の草よりも一すじの蔓草、--しかもその蔓草は幾すぢも蔓を伸ばしてゐるかも知れない」と序文で謙遜しているが、全編、とくに終わりにいくにしたがって、広い教養と自由な表現で、芸術の不滅を説く芥川の筆鋒は自信と力に満ちている。芸術との凄絶な闘いに矢折れ刀尽きて人生を閉じた芥川の生き方を、私たちはこの語録から読み取りたい。
| あすとろ出版 (著:現代言語研究会) 「名言名句の辞典」 JLogosID : 5450021 |