希望というものは人が失望したその胸間から起こってこそ、人の希望となり人生に役立ってくるのである..
胸間:胸の中。心
【名言名句】
希望というものは
人が失望したその胸間から起こってこそ、人の希望となり人生に役立ってくるのである。失望もしない人間を私は信用する気にはならぬ。どんなに絶望しようとも、ほのかに泛かぶ希望を人は失ってはならぬと思う
【解説】
希望がかなえられないと失望があり、失望から立ち直ろうとするところに再び希望もわく。希望をかなえようと思えば人はそのために努力し、自分の人生を自分で切りひらいていく力を身につけていくだろう。失望しない人間というのは、希望を抱いたこともなければ、積極的に生きようとしたこともない人だろう。このような人を信用できるはずがない。
人間には、それを変えることも、そこから脱出することもできないような状況におちいることがある。ヤスパースはこれを限界状況という。このような限界状況にあっては、希望こそ自己喪失を免れるよすがとなる。
【作者】横光利一
【生没年】1898~1947
【職業】作家
【出典】『解説に代えて』
| あすとろ出版 (著:現代言語研究会) 「名言名句の辞典」 JLogosID : 5450015 |