東洋医学①
【とうよういがく】
東洋医学に対するゴカイ
東洋医学の治療に興味があるという人はたくさんいます。しかし、劇的な薬効をもたらした漢方薬とか、中国から輸入されたヤセ薬やガンの特効薬、あるいは超常現象のような気功師の技など、キワモノに対する興味のレベルを出ていない人は少なくありません。一方で「効かなくても害はないから気休めに漢方薬を飲んでいる」と、まるで健康食品のように考えている人もいます。
もちろん、キワモノ的な発想も気休めの健康食品も、いずれも東洋医学の本質とはかけ離れたものです。ただ、これはその人たちだけの責任とは言い切れません。マスコミがつくりあげる東洋医学のブームは常にキワモノ的だし、慢性症状専門のように漢方薬をすすめる専門家もかなり存在するからです。言い換えれば、それほど一般の人が東洋医学の本来の姿に接する機会は少ないのです。
そこで最初に、東洋医学での診断や治療が実際にはどのように行われるのか、紙上でシミュレーションを行うことにします。モデルの患者に登場してもらい、予診から診断、治療方法の決定までの流れをたどります。
難解な用語等はあえて詳細には触れず、欄外での簡単な説明にとどめます。ここでは、たんに漢方薬を量り売りするだけではない、東洋医学の医学としての本来の姿を知ってもらえればいいと思います。
<治療院での診断&治療シミュレーション>
■まずは予診から
■病気の種類を見きわめる
■病理物質を見きわめる
■総合的な判断
■治療の方針を決める
■実際の治療方法
| 日本実業出版社 (著:関口善太) 「東洋医学のしくみ」 JLogosID : 5030024 |