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標準治療(寺下医学事務所)コラム > 放射線科

マンモグラフィ(乳房レントゲン撮影)
【まんもぐらふぃ(にゅうぼうれんとげんさつえい)】

マンモグラフィ(乳房レントゲン撮影)

 女性の乳ガン罹患(りかん)数は顕著に増加して、1998年には胃ガンを抜いて女性のガンのトップになりました。その背景には遺伝的因子や生活環境などもありますが、早期の初潮発来、晩期の閉経、晩婚化と初産年齢の高齢化などを背景として今後も増加すると考えられます。
 欧米諸国に関しては、乳ガンの罹患数は増加しているものの、死亡率は減少に転じてきています。この現象は、マンモグラフィを用いた検診が貢献していることが近年報告されています。厚生労働省も2005年度より地方自治体を中心としてマンモグラフィを原則として取り入れた乳ガン検診(40歳以上が対象)を開始しました。
 そこで、マンモグラフィについて簡単に説明します。マンモグラフィは非常に長い歴史のある検査で、乳ガンを発見するために用いられます。専用のX線撮影装置(図1:マンモグラフィ)で乳房を挟み、病変の前後にある乳腺を排除して撮影します。一般的には、内外斜方向(MLO)および頭尾方向(CC)の2方向撮影を行います(図2:内外斜方向と頭尾方向の撮影)。
 マンモグラフィの適応は、通常、乳腺の発達の少なく柔らかい脂肪成分の多い乳房で、閉経後以降の年齢層の方が適しているといわれています。しかし、機器の発達も著しく、若年者に対しても有益な検査であると考えています。また、マンモグラフィの有益な部分は、乳ガンの早期発見です。触診で触知不可能な腫瘍(しゅよう)の検出や、良悪性の鑑別および腫瘍の広がり診断に有効です。とくに乳ガンの場合は、ガン細胞の壊死(えし)や分泌物による石灰化を伴っていることが多く、この微細な石灰化の形態が病変の良悪性の鑑別に非常に役立ちます。乳ガンの画像診断においてはマンモグラフィ以外、この微細な石灰化を検出する検査はありません。
 不利益な部分としては、撮影時の圧迫による多少の痛みがあげられます。しかし、圧迫することでより少ないX線の被ばく量で、明瞭な組織間コントラストを有する画像情報(読影しやすい画像)を読影医に提供することができます。個人差もありますが、圧迫による痛みに関しては月経周期に依存します。本来、放射線を使用する検査は、月経開始時より10日以内での受診が良いといわれています。このような場合は、安全性(妊娠の可能性)を確認して乳腺の張りのない時に、受診されることをお勧めします。
 最近では、多くの施設で女性の専門スタッフが検査に従事しているので、手技的、心理的にもやさしい検査となってきました。また、X線被ばくについては、検査機器の発達や撮影技術、フイルムおよび増感紙の進歩などで、被ばく量は少なくなり、受診するメリットはあるものと考えます。
 以上のようにマンモグラフィーは乳ガンの早期発見、治療に関して非常に重要な検査です。受診者の年齢、個人差などによる画像の優劣もありますので、超音波検査など他の画像検査および視触診の総合的診断が早期発見には重要です。 (小俣高宏

■■検査のコツ■■




日本医療企画 (著:寺下 謙三)
「標準治療(寺下医学事務所)」
JLogosID : 5036605

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編集:寺下 謙三
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