慢性腎炎・ネフローゼ症候群(東洋医学)
【まんせいじんえん・ねふろーぜしょうこうぐん(とうよういがく)】
Chronic Nephritis/Nephrotic Syndrome
難治性の病気の代表的なものです。初期の症状としては、顔が腫れぼったい、だるいなどが代表的なものですが、検診が普及した現在では、無症状に経過したまたま尿にタンパクや血液が認められて、慢性腎炎と診断されることが多いと思われます。病気が進行すると腎臓の働きが低下して、場合によっては機能不全が生じ、人工透析が必要になる場合があります。西洋医学でもなかなか的確な治療がないのが現状です。
ネフローゼ症候群は、腎臓からアルブミンというタンパク質がもれてしまい、そのためむくみをきたす病気です。こちらの病気も自然に軽快することもありますが、一般には難治といえます。治療はそのタイプによって反応が違いますが、副腎皮質ホルモンがよく用いられています。副腎皮質ホルモンは長期に服用する場合が多く、また減量の過程で症状が再燃してくることも多いため、やむなく継続することになります。漢方治療によってもそうことは簡単ではありませんが、効果的な場合もしばしばあります。またこの病気では、かぜをきっかけに悪化することがよくあります。このかぜをひきにくくする効果は漢方治療で結構期待できるので、悪化因子を減らすという意味で使うことは大いにおすすめできます。もちろん、腎機能障害の改善も同時に期待するわけです。
| 寺下医学事務所 (著:寺下 謙三) 「標準治療」 JLogosID : 5035382 |