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標準治療病名 > 形成外科・美容外科

褥瘡と難治性潰瘍(床ずれ)
【じょくそうとなんちせいかいよう(とこずれ)】

Decubitus , Intractable Ulcer

 褥瘡(じょくそう)とは長期間ベッドに寝ている患者さんや車いすを利用している患者さんに多くみられる、いわゆる“床ずれ”と呼ばれるものです。痛みなどの知覚の低下した場合に発生しやすくなります。好発部位は骨と皮膚との間に加重がかかりやすいところで、仙骨(せんこつ)部(おしりの中心)、坐骨(ざこつ)部(座ったときにあたるおしりの両脇)、大転子部(横になるときにあたる腰の部分)などです。圧が長時間加わることにより、その部位の血行が悪くなり、皮膚・皮下組織まで傷害されます。また、ずれにより生じる力も褥瘡の原因となります。
 このように長時間の圧迫とずれ力というものが褥瘡の最大の原因ですが、これらに加えて、栄養状態、関節変形、運動能力の低下といった様々な要因が絡みあって悪化するため、治療には多方面からのアプローチが必要となります。
 難治性潰瘍の場合は、基本的には圧というものは関係せず、ある基礎疾患が原因で生じるものです。つまり、正常ならば皮膚にできた傷が治るものが、感染、血管障害、知覚障害といった異常な要因があるために、なかなか治り難い潰瘍状態になったものが難治性潰瘍です。しばしば目にするものとして、糖尿病や閉塞性動脈硬化症に伴う足の潰瘍、骨の感染である骨髄(こつずい)炎による潰瘍、放射線治療による放射線潰瘍などがあります。




寺下医学事務所 (著:寺下 謙三)
「標準治療」
JLogosID : 5035341

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