【標準治療】病名 > 皮膚科
乾癬
【かんせん】

Psoriasis
赤み(紅斑)を伴って、カサカサした薄皮(鱗屑〈りんせつ〉)がどんどんできては剥がれていく慢性の皮膚病です。一種の免疫反応の異常により生じると考えられています。すなわち、健常の皮膚では、表皮細胞と白血球(リンパ球など)がサイトカインなどの伝達物質を使ってうまく連絡を取り合ってお互いを制御していますが、このバランスがくずれると表皮細胞が一方的に増殖して早く脱落していくことが起こります。普通、表皮細胞はその一番外側に角質層という死んだ細胞の層をつくり、垢(あか)になって落ちていくことを一定の周期(45日)で繰り返していますが、乾癬ではこの周期が極度に短縮(4~5日)しているため、カサカサと皮がむけていきます。この免疫異常は、遺伝的になりやすい素質がある方に、いろいろな誘因が加わって生じると考えられています。誘因としては、ウイルスや細菌感染、化学物質、高脂肪食などがあげられます。ただし、決して他の人にうつる病気ではありません。
![]() | 寺下医学事務所 (著:寺下 謙三) 「標準治療」 JLogosID : 5035310 |