川崎病
【かわさきびょう】
Kawasaki Disease
全身の中小動脈の炎症を起こす原因不明の病気です。何らかの感染症が引き金になって、血液中にサイトカインと呼ばれる化学物質が増え、いろいろな症状が起こると考えられています。引き金となる感染症については細菌、ウイルス、真菌など今までにいろいろな説が出てきましたが、まだはっきりわかっていません。日本赤十字社医療センター小児科部長であった川崎富作先生が1967年に初めて報告した、日本で見つかった病気で、今では世界各国から報告があります。
冠動脈の炎症によって心筋梗塞などを起こすことがあるため、子どもにとっては重要な病気として注目を集めています。主に4歳以下の乳幼児がかかり、男の子にやや多い傾向があります。1年間に日本で発生する患者さんの数は1990年代には6,000~8,000人でしたが、2000年以降人口10万人あたりの発生数は増える傾向にあり、年間10,000人を超えています。毎年患者数が報告されていて、1979年、1982年、1986年には全国的な大きな流行があったことがわかっています。
| 寺下医学事務所 (著:寺下 謙三) 「標準治療」 JLogosID : 5035295 |