ウイルス性出血熱 デング熱/デング出血熱
【ういるすせいしゅっけつねつ でんぐねつ/でんぐしゅっけつねつ】
Viral Hemorrhagic Fever Dengue Fever:DF / Dengue Hemorrhagic Fever:DHF
出血熱とは流行性ウイルス性出血熱の総称です。カによって媒介されるもの、ダニによって媒介されるもの、齧歯(げっし)類や霊長類から感染するものなど、媒介動物の種類によって大きく3群に分かれます。
熱帯シマカというカによって媒介される流行性熱性疾患です。多くは予後は良好ですが、時に出血あるいはショックを起こして死亡することもあります。DF/DHFは、現在世界の熱帯・亜熱帯地域のほぼ全域にみられます。日本国内での流行はありませんが、輸入感染症として存在します。本症はデングウイルス(DV)の感染によります。DVは4種類の血清型があり、同型のウイルスに対しては免疫が成立しますが、交叉(こうさ)免疫は成立しません。つまり、各型のウイルスにそれぞれの感染を受ける可能性があります。血清型の異なるDVの再感染のほうが、重症化しやすいという説が知られています。潜伏期は通常4~7日です。
| 寺下医学事務所 (著:寺下 謙三) 「標準治療」 JLogosID : 5035228 |