弁膜症外科手術
【べんまくしょうげかしゅじゅつ】
心臓弁膜症とは心臓弁が正しく機能しなくなった状態であり、弁が硬く狭くなった状態を狭窄症、きちっと閉じないで逆流を生じた状態を閉鎖不全症といいます。多くの場合、問題となるのは左心室の入口と出口にある僧帽(そうぼう)弁と大動脈弁で、右心室の入口と出口にある三尖(さんせん)弁と肺動脈弁が問題となるのはまれです。弁をなおす基本的な治療は手術しかありませんが、弁が悪いからすぐ手術をするということではありません。大切なことは本当に手術が必要かどうかの手術適応を正しく決めることと、どの時点で手術を行うことが最も良いかをそれぞれの患者さんについて検討することです。これには心臓だけでなく、年齢や心臓以外の病気の有無、また、社会的背景も考慮することが大切です。また、手術を行う場合でも自分の弁を修復する弁形成手術を行うか、人工弁に取り換えてしまうのか、さらに人工弁はどの弁が最も患者さんに適しているかなど、いくつかの選択肢があります。対象となる病気は大動脈弁狭窄症、大動脈弁閉鎖不全症、僧帽弁狭窄症、僧帽弁閉鎖不全症、三尖弁閉鎖不全症などです。
| 寺下医学事務所 (著:寺下 謙三) 「標準治療」 JLogosID : 5035068 |