未破裂脳動脈瘤の手術治療
【みはれつのうどうみゃくりゅうのしゅじゅつちりょう】
脳動脈瘤とは、脳の血管の壁が弱くなることで血圧に耐えられずそこの部分の壁がぷーっと膨らんだような状態になったことをいいます。瘤(こぶ)があるだけでは多くの場合何も症状は出さないのですが、ちょうどお餅が膨らんでいくとあるところでポンと破裂してしまうように、瘤もあるとき突然ポンと破裂してしまうことがあります。お餅なら破裂しても空気が抜けて萎んでしまうだけですが、脳動脈瘤の場合、中には血液が流れていますから、破けると血液が外へ流れ出してしまいます。
この状態をくも膜下出血と呼びます。くも膜下出血はひとたび起こると半数近くの方は亡くなってしまう恐ろしい病気ですが、脳動脈瘤はその予備軍ということになるわけです。
このように破けて大事になってしまう前に治療して破けないように予防しようというのが、未破裂脳動脈瘤の治療の考え方です。瘤はひとたびできると自然に治ることはありませんし、残念ながら薬などで治すこともできません。予防的な治療は外科的な治療しかないのです。
| 寺下医学事務所 (著:寺下 謙三) 「標準治療」 JLogosID : 5035034 |