【福武国語辞典】さ行 > さす
さす
【さす】

助動下二型
〔古〕【1】使役を表す。…させる。「たよりごとに物もたえず得させたり」〈土左〉【2】〔「たまふ」「らる」などとともに用いて〕尊敬の意を強める。「ゆるべる緒(を)整へさせたまひなどす」〈源氏〉【3】〔「きこゆ」「たてまつる」などとともに用いて〕謙譲の意を強める。「まめまめしうきこえさすべき事なむ」〈源氏〉【4】受身を表す。「兼綱、内甲(うちかぶと)を射させてひるむところに」〈平家〉{参考}【4】は、受身の表現をさけ、積極的に、敵にそのようにさせる、という、特に軍記物に用いられる表現である。
![]() | ベネッセコーポレーション (著:樺島忠夫/植垣節也/曽田文雄/佐竹秀雄) 「福武国語辞典」 JLogosID : 705057250 |