事
【こと】
名/形名
【一】(名)人間が意識したり思考したりする場合、「もの」と異なりはっきり手にとることができない対象をさす語。物の働き・性質・関係などをさす。【ア】実際に起こった事実・現象・事件・できごと。「本当の―」「―が起こる」【イ】それに関連するすべての事態・ようす・事情。「子供の―はまかせる」【二】(形名)言ったり考えたりした内容を形式的に示す語。【イ】言い表したものの内容。「楽しい―はない」「いやな―ばかり続く」「何の―を言っているのだ」「驚いた―には」【用法】活用語の連体形につくことが多く、その場合、前後の決まった言い方で特定の意味を表すことがある。たとえば「食べた―がある(=経験がある)」「すぐに出かける―はない(=必要はない)」「昼寝をする―にしている(=習慣にしている)」などがある。【イ】〔「AとはBの―だ」の形で〕AとBは同じだという判断を示す。「WHOとは世界保健機関の―だ」【ウ】〔「…という―だ」の形で〕他人からの伝聞など不確実な断定を示す。「彼は転居したという―だ」【エ】〔形容詞の連体形について〕副詞のような働きをする。「長い―話す」【オ】それについていうと、の意を表す。同格を表すこともある。「私―都合により」「水戸黄門―徳川光圀(みつくに)」▽【二】はふつう仮名書き。
| ベネッセコーポレーション (著:樺島忠夫/植垣節也/曽田文雄/佐竹秀雄) 「福武国語辞典」 JLogosID : 705039930 |