コラム
【】
【イタリアン手帳】 スープ >
『スープのもとになるブロード』
スープの素といえば、ブイヨン。日本では通常そう呼ばれているが、この言葉の元はフランス語のbouillon。イタリアではブロードbrodoと呼ばれている。魚介類や肉類、野菜など、さまざまな素材を長時間煮込み、漉こしてとる出汁のことを指す。
素材によって、魚介のbrodo di pesce(ブ ロードディペ ッシェ)、肉のbrodo dicarne(ブ ロードディカルネ)、野菜のbrodo di verdure(ブ ロードディヴェルドゥーラ) に大別される。肉や魚などそれぞれ数種類かと骨やアラ、香味野菜、スパイスやハーブを組み合わせて作るのが一般的だ。スープの素になるほか、リゾットや煮込み料理のベースにもなる。つまり、このブロードがうまく作れるかどうかで、味の基本が決まるのだ。
ちなみに、日本ではコンソメconsommé という言葉をブイヨンと同様に使うことがあるが、これは別物。コンソメはブイヨンにさらに手を加えて長時間煮込み、卵白の凝固作用を活かしてアクを完全に取り除き、澄んだスープに仕立てたものを指す。イタリア料理ではbrodo ristretto(ブ ロードリストレット) だが、コンソメとそのまま呼ぶこともある。
出汁といえば、フォンfond(仏語)=フォンドfondo(伊語)も知られている。こちらはブイヨン=ブロードより濃厚なもので、スープよりもソース用の出汁。仔牛の骨やすじ肉などを使うフォン・ド・ヴォーfond de veau が有名。これはフランス語で、イタリア語では主にsugo di carne(スーゴディカルネ) という言葉が使われる。直訳は肉汁。魚の場合もフランス語でフュメ・ド・ポワソンfumet de poisson ということが多い。イタリア語ではfumetto di pesce(フメットディペ ッシェ) だが、これもそのままフランス語で呼ばれたりする。ほかにも、イタリア料理とはいえ、フランス語が登場することは意外に多い。
data-ad-slot値が不明なので広告を表示できません。
【辞典内Top3】
【関連コンテンツ】
広告を表示できません。
【この辞典の書籍版説明】
「イタリアン手帳」岸 朝子 |
|
イタリアンレストランでメニューを見るときやイタリア料理のレシピを読むとき、とにかく1冊手元にあれば困らない手帳型イタリア料理図鑑。 |
|
出版社:
イタリアン手帳[link] |