公望荘
【こうぼうそう】
【東京-五つ星の蕎麦】 都内の名店88軒 > 台東区
入り口に〝銹刀御蕎麦処〟と書かれた暖簾が掛かる。これは錆びた刀では切っても切れない、つまり「コシのあるそば」を表現した言葉のあやで、昭和30年代に刀の鑑定士が名付けたという、いわば公望荘のニックネームみたいなものだ。
そばは、その愛称どおりコシの強い手打ち。18歳のときからこの店で修業を重ね、この道45年以上というそば職人の岡田保男さんが打つ。通常、店で出すそばは二八。だが、予約で十割の御免そば、抹茶を入れた茶そば、卵の黄身をつなぎにしたらん切りなど、別打ちのそばも味わえる。
創業は昭和21年(1946)。そば好きの先代が、どうしても東京でそば屋をやりたいと埼玉から上京し、上野公園で茶店を営みながらそばの修業をし、現在地に店を構えたという。「父は、とにかくそばが好きで、毎日そばを食べていました」と二代目の熊田昭子さん。役者の清川虹子は生前、この店のとろろそばがお気に入りで、よく訪れたという。
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【この辞典の書籍版説明】
「東京 五つ星の蕎麦」見田盛夫/選 |
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並木藪蕎麦、巴町砂場、神田まつやなど伝統の技が味わえる名代の老舗から、進化し洗練された蕎麦でたちまち有名となった新鋭店まで、都内と近県の118の名店を料理批評家・見田盛夫が厳選。蕎麦の基礎知識や全国の名店217軒の情報も付いた、蕎麦好きのバイブル。 |
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出版社:
東京-五つ星の蕎麦[link] |