▼船上はハタハタの精液でまっ白
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【旬のうまい魚を知る本】 >
秋田県沖のハタハタは、12月の、海が荒れて海水が上下に激しく混ざり合い、水温が12度以下になった頃に沿岸へ押し寄せてくる。海藻に卵を生みつけるためで、その昔はオスの精液で海の表面が真っ白になり、これをクキシロと呼んでいた。そんな話を老漁師に聞いたときはマユにツバを付けたものだ。ところが八森町(はちもりまち)(秋田県)の岩館漁港で定置網漁の水揚げを見学して、それがおおげさでないことを知った。ハタハタを大量に積んで帰港した船の上一面が、ハタハタの精液で真っ白になっているのを目撃したからである。
その岩館港では今なお木造船をハタハタ漁に用いている。船頭の指示にしたがい、両舷に8人が陣取って、沖の定置網まで勇ましく櫓を漕いでいく。機械船だとスクリューで網を破ってしまうこともあり、それで昔通りの手漕ぎ船を使っているのだという。
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【この辞典の書籍版説明】
「旬のうまい魚を知る本」東京書籍 |
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季節別旬魚の解説,全国地域別旬魚カレンダー,代表的漁港マップに加え,魚の構造や通の食べ方などのコラムも充実。鮨屋,レストランなどで魚を語れる人になるためのバイブル。 |
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