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慢性腎炎
標準治療

 慢性腎炎という言葉は、腎臓の病気の現れ方を大きく5つに分類した場合の1つに相当します。この場合、高血圧や糖尿病さらには膠原(こうげん)病などの全身の病気から影響を受けた腎臓病は含まれません。通常、自覚症状は乏しく、せいぜい浮腫(ふしゅ)や高血圧に伴う症状くらいで、検査によってタンパク尿や血尿を認めます。時に尿の色が目で見てわかるくらい茶褐色を示すことがあります。また腎機能を表す数値が軽度悪化していることもあります。このような状態が1年以上にわたって慢性的に持続している腎臓病を、慢性腎炎といいます。
 慢性腎炎では腎臓の中の糸球体と呼ばれるところに病変を生じているため、慢性糸球体腎炎とも呼ばれます。糸球体以外の間質というところの炎症であれば、間質性腎炎と別に呼ばれ、尿路感染症などでは腎盂(じんう)腎炎いう言葉もあります。慢性に対比して急性という言葉もありますが、数日の経過で発症するものをそのように呼びます。
 慢性腎炎は、このように臨床的な病態を表す言葉ですが、腎の病理組織をみると大きく5つに分類されます。ほとんど異常所見がみられないものから細胞増殖の程度が強いもの、濾過(ろか)膜に相当する毛細血管の壁に変化がみられるものなどで分類されます。さらに半月体と呼ばれる細胞の集まりが、毛細血管の壁の外側にできて急速に腎臓機能が低下することもあります。このような病理組織的変化は、腎生検といわれる検査によって腎の組織をごく一部とり、顕微鏡で観察することによって初めて明らかになります。したがって腎生検は臨床的に極めて重要な診断手段です。腎生検は、ネフローゼ症候群でも有用な検査で、病理組織的分類はやはり5大別+半月体の有無です。

  

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