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発泡酒
雑学大全

低価格だから、外ではビール、家では発泡酒と飲み分ける消費者も多いとみえ、二〇〇二(平成一四)年度の家庭で消費された酒類別の割合は、ビールが六三%なのに対し、発泡酒は九六%にもなる。では、発泡酒が安いのはなぜだろう。
最も大きいのは酒税だ。
酒税法では、麦芽を原材料の六六・七%(三分の二)以上使ったものをビール、それに満たないものを発泡酒としている。発泡酒の中でも、麦芽率二五%未満の酒は最も税率が安くなっていて、現在日本でつくられている発泡酒のほとんどがここに分類される。
さらに、原料に麦芽以外の米やコーンスターチなどを使ってコストを減らした分が、価格の安さに反映しているわけだ。ほとんど広告を行わないことで価格を下げたことをアピールする、ユニークな商法さえ出てきた。
麦芽が少ないだけに、ビール特有の味わいでは引けを取る。だが、その代わりに原料の自由度は高いから、各社とも工夫を凝らして新製品の開発には力を入れている。
麦芽の原料である大麦を使う、あらかじめ糖化したデンプンを麦芽のみの麦汁とミックスさせる、熟成方法を工夫する、海洋深層水を使うといった味へのこだわりだけでなく、痛風の原因になるプリン体をカットしたり、カロリーを控えたりして健康に訴える商品も多い。これからも、消費者には楽しみな開発競争が続くだろう。
しかし、大きな反対にもかかわらず、発泡酒の税金は三五〇ミリリットルあたり一〇円もアップした。そのため、発売以来右上がりだった発泡酒の出荷量は、はじめて前年比マイナスを記録している。

  

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