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当て字
雑学大全2

当て字は地名や姓名に限らず、日常生活でも使っていることがよくある。たとえば、愚か者の代名詞「あんぽんたん」は漢字で「安本丹」と書くが、なぜこうなったのかというと、かつて日本の西南に「安本丹」という蛮国があり、その国の人が日本へ漂着するのだが、言葉が通じず愚鈍に見えたことからその国の名を用いたという説や、江戸時代に使用された「反魂丹」という薬からきたという説がある。後者は「馬鹿につける薬はない」という意味合いだろうか。「流石(さすが)」も当て字だ。これは中国の宋時代の書である『世説新語』にある故事によるものである。晋の孫楚という人物が自分の隠遁の志を述べる際、「石に枕し、流れに漱ぐ」といわなければならないのに、「石に漱ぎ、流れに枕す」と誤っていってしまった。だが彼は、「石に漱ぐのは歯を磨くため、流れを枕にするのは耳を洗うためだ」と言い逃れをしたということから、「漱石枕流」で負け惜しみを意味するようになった。日本ではさしずめ「さすが、うまく言い逃れたものだ」という意味合いからついたものと思われる。ちなみに、かの夏目漱石の「漱石」もこの故事からとられている。なお、ネコが糞をした後に砂をかけてそれを隠すことからきている「猫糞」や、「百が手」からきたともいわれる「百足(むかで)」、老人に似ている風貌からきたという「海老」、人を寄せるという意味の「寄せ席」が短縮されてできた「寄席」、「替え銭」からきたといわれる「為替(かわせ)」、「倶に楽しむ」という字を当てた「倶楽部」なども私たちに身近な当て字である。

  

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