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東京湾アクアライン
道と路がわかる事典

これまでに、海を横断して陸地と陸地をつなぐトンネルや橋はいくつもつくられてきた。関門トンネル、瀬戸大橋、明石海峡大橋など、海を渡る長大橋や長大トンネルは、もう決して珍しいものではない。だが、トンネルと橋が結合して一つになっている構築物はそうあるものではない。
東京湾を横断して京浜側と房総半島を結ぶという計画は、昭和三〇年代からすでにあった。夢物語的な構想だと思われていた面もあったが、紆余曲折を繰り返しながら、平成九年、長年の夢が実現したのだ。東京湾横断道路(東京湾アクアライン)の誕生である。神奈川県の川崎市と、千葉県の木更津市を結ぶ全長約一四kmの、東京湾の中央でトンネルと橋がドッキングするという極めて珍しいトンネル橋になった。
東京湾アクアラインには二つの人工島がある。一つは東京湾の中央にある木更津人工島(海ほたる)で、ここでトンネルと橋がつながっている。もう一つの川崎人工島はトンネルの換気塔だ。橋梁区間は約四・四km、トンネル区間は約九・六km。このトンネルは、海底道路トンネルとしては世界最長、道路トンネル全体でも、関越トンネルに次いで全国第二位。関門トンネルの約三倍もの長さがあるのである。
川崎や横浜から房総半島へ行くには、これまでは東京湾の北半分を一周しなければならなかったが、東京湾アクアラインの完成によって、川崎から木更津まで約一〇〇kmあった道程がわずか三〇km、三分の一以下に短縮されたのである。これによって、東京南部および神奈川方面から房総半島へのアクセスが俄然便利になり、この地域におよぼす経済効果は計り知れなく大きいのだ。

  

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