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電車の揺れ
雑学大全

電車に乗って、ゴトーン、ゴトーン、ゴトーンと単調な響きを聞きながら、揺れに身を任せていると、いつの間にか眠ってしまった……ということがよくある。電車の座席は、どうしてあんなに眠りを誘うのだろう。
眠ったり覚めたりするのは、睡眠中枢のはたらきによることは、よく知られている。そして、その睡眠の原因になるものには、いろいろある。例えば、静かで暗いところは眠りやすい。だから、昼間眠るとき、アイマスクを利用するのも一つの方法。運動神経を休めるため、横になるのもよい。非常に頭を使って疲れたときも眠りやすいし、その反対に、一日中何もせずぶらぶらしていても眠りが襲ってくる。赤ん坊を眠らせる子守唄や揺りかごも、眠りの条件を満たしているのだ。
作曲をしたり、絵を描いたり、創造的な仕事に熱中しているときは、脳は高等なはたらきを要求されるので、眠ることはできないが、単調なことの繰り返しは、脳の高等なはたらきを抑えて、眠りを誘ってしまう。イヌの条件反射の実験でよく知られたパブロフは、同じくイヌを使って実験し、単調なことの繰り返しが眠りを誘うことを証明した。
特に、電車の揺れは、運転を他人に任せた安心感がいっぱいだ。そのほか単調な音、退屈な車内の風景、適度な温度、これらが睡眠に入る条件を整えてくれるのだ。
ところで、面白くない講演や講義を聞いていても、眠気に襲われるが、そのメカニズムはこうである。はじめは講演を聴こうとして、そのことにだけ注意を集中しているので、興奮を伝えるほかの部分は全部はたらきが止められ、眠った状態と同じになっている。しかし、やがて、講演に集中しようとしている神経まで眠ってしまうのだ。
ちなみに、車に乗ると緊張してかえって眠れなくなる人もいるとか……。

  

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