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松井須磨子
雑学大全

女性の精神は生理周期の影響を大きく受ける。もちろん個人差は大きく、その特徴が顕著な人もいれば、全く生理の影響を受けない人もいる。
近代的な新劇女優第一号の松井須磨子は、生理中は情緒不安定になり、ヒステリックになることが多かったため、彼女が自殺した原因の一つに生理中の不安定な精神状態があるのではないかと言われている。
松井須磨子は『ハムレット』のオフィーリアで認められ、『人形の家』のノラ、『マグダ』のマグダなどの大役で劇団のスター女優になった。しかし、恩師の島村抱月との不倫のため文芸協会を除名され、抱月は早稲田大学の教授の座を追われてしまった。抱月は妻子と別れ、一九一三(大正二)年に須磨子とともに劇団・芸術座を結成し、須磨子と同棲生活を送っていた。
須磨子は芸術座の女座長として毎回、公演の主役を務め続けた。劇中歌を使うのが演出の特徴で、特に『復活』で歌われた「カチューシャの歌」は大流行。けれども抱月は一九一九(大正八)年一一月五日、急逝してしまう。
それ以来、須磨子は魂が抜けたような放心状態となり、二か月後の抱月の月命日、芸術座の大道具置き場で首吊り自殺をしてしまった。
自殺現場には須磨子の生理による血痕が残っていたことから「生理中で情緒不安定になっていた須磨子が、発作的に自殺してしまったのでは」と噂され続けたという。

  

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