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助六寿司
雑学大全2

いなり寿司と巻き寿司が入ったセットを「助六寿司」というが、この「助六」とは何者だろう。助六寿司の名前の由来には諸説ある。まず一つは、江戸時代の倹約令により、魚を使った寿司を自粛させられていた江戸の市民にとって、いなり寿司や巻き寿司はご馳走だったため、その当時にはやっていた歌舞伎十八番の一つ「助六縁江戸桜」の主人公「助六」の名をとって、このように呼ばれるようになったという。また一説には、もともとは助六寿司は「揚巻」と呼ばれていたともいう。揚巻とは、吉原の花魁だった助六の愛人である。いなり寿司は油揚げを使うところから、揚巻の「揚」になぞらえ、巻き寿司を「巻」になぞらえたところから、こう呼ばれるようになり、それがいつの頃からか、主人公の助六の名前だけで呼ばれるようになったとされる。そのほか、主人公の助六が紫のハチマキを巻いていたので、その姿を巻き寿司になぞらえ、愛人の揚巻をいなり寿司になぞらえて、二つセットの寿司を助六寿司と呼ぶようになったという説もある。さらには、歌舞伎の「助六もの」の演目の幕間に出される弁当が、このセット寿司だったことからというものもある。いずれにしても、歌舞伎の演目にちなんでつけられたことは確かなようだ。ところで、助六寿司に欠かせないいなり寿司の誕生は、天保飢饉のときで、愛知の豊川稲荷門前でつくられていたという。その後、江戸にも紹介されるようになったといわれる。

  

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