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種なしスイカ
雑学大全

暑いシーズンに、水分たっぷりのフルーツを食べるのは、体にもいいし気分もいい。
蒸し暑い日本の夏にぴったりな、そんなフルーツの代表がスイカだ。けれど、勢いよくシャクシャク食べたくても、あの種がじゃまで、いちいちプッと吐き出すか、あらかじめ取り除いてからかぶりつくしかない。するとせっかくの勢いが落ちることになる。
そこで、種を気にせず食べられるようにと改良されたのが、種なしスイカだった。
この種なしスイカ作りに使われるのが、コルヒチンという薬品だ。種ありスイカの芽をコルヒチンで処理したものに、種ありスイカの花粉を交配してできたスイカの種子が種なしスイカの種子となる。
種なしだから、できたスイカに種子がないのは当たりまえ。植え付けのたびにコルヒチンを使うのだが、このコルヒチン、使い方を間違うと危険である。
イヌサフランという、クロッカスによく似た花を咲かせる植物の球根から作られたもので、六〜七世紀頃から痛風に薬効があることが知られて、球根をワインに浸して抽出した薬が存在していた。
現在では、痛風の症状である尿酸値を直接に下げる効果があるわけではないが、白血球の作用を抑えて、間接的効果があるとされている。
しかし、このコルヒチン、半数致死量三・五三ミリグラムで、一回極量一〜二ミリグラムと定められている猛毒だ。そして、植物細胞の染色体を倍化してしまう毒があることもわかった。半数致死量とはある集団が五〇%死ぬときの量で、極量とはそれ以上もちいると中毒作用を起こす可能性がある量をいう。
種なしスイカは、二倍体の染色体を持つ種ありスイカを、コルヒチン処理で四倍体の染色体を持つスイカに育て、そこに種ありスイカの花粉を交配すると、三倍体の染色体を持つスイカになる。この三倍体スイカが、種なしスイカというわけである。

  

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