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子宮頸ガン
標準治療

 30年にわたる研究の結果、ヒトパピローマウイルス(human papillomavirus;HPV)が子宮頸ガンの原因ウイルスであることがつきとめられました。HPVはヒトにイボ、あるいはイボのような病気をつくるウイルスですが、120種類以上の型(タイプ)があることがわかっています。ヒトでいえば人種のようなものです。新種と認定された順番に番号がついていて、1型、6型、16型のように呼ばれています。
 大きく分けて皮膚に病変をつくる型と粘膜に病変をつくる型とがあります。HPVはヒトの皮膚、粘膜の細胞の中でしか増殖できないので、皮膚、粘膜以外に病変をつくることは決してありません。子宮頸ガンに関係があるのは粘膜に病変をつくる型のウイルスです。感染したHPVの型によって、できてくる病変の性質も違っていることがわかっています。性器にできるコンジローマと呼ばれる良性のイボから見つかることが多く、ガンからは決して見つかることがないHPVがある一方で、ガンから高頻度に見つかるHPVもあります。前者は低危険型(ローリスクタイプ、low risk type)、後者は高危険型(ハイリスクタイプ、high risk type)と呼ばれています。
 子宮頸ガンの原因ウイルスといっても、HPVに感染すると必ず子宮頸ガンになってしまうわけではありません。むしろ、ガンになることのほうが少ないので、HPV感染を過度に恐れる必要はありません。子宮頸ガン検診でまったく異常が見つかっていない人でも、10人に1人はハイリスクタイプのHPVに感染しているといわれています。ガンになるのはその内の500〜700人に1人です。HPVの感染がなければ子宮頸ガンにはなりませんが、HPVに感染しても滅多なことでガンにはならないわけです。
 子宮頸ガンの発ガンメカニズムが詳しくわかってきたことによって、ガンの治療と同時に、ガンの予防に関する研究が進んでいます。

  

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