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子宮膣部びらん
標準治療

 子宮は場所によって底部、体部、頸部、腟部と名称が付いています。子宮腟部の最下端で腟に開口している部分を外子宮口(がいしきゅうこう)と呼びます。そのうち、子宮腟部は腟内へ突出している場所であり、通常の外来診察で肉眼的に観察が可能です。この子宮腟部に生じるのが子宮腟部びらんです。「びらん」とはただれていることを意味しますが、多くの場合には病気ではないため治療は必要ありません。年齢により頻度は異なりますが、月経のある女性の30〜80%にみられるといわれています。
 子宮腟部は、円心状に2種類の細胞が存在します。外側にあるのが扁平上皮(へんぺいじょうひ)と呼ばれる皮膚などを覆う細胞と同類の細胞で、内側が円柱上皮(えんちゅうじょうひ)と呼ばれる腺細胞になります。その円柱上皮と扁平上皮の境界を扁平円柱上皮接合部(squamocolumnar junction;SC-junction)と呼びます。女性ホルモンであるエストロゲンが活発になると円柱上皮が増殖して外子宮口を超えて腟部の外側まで覆います。円柱上皮があたかも「びらん」のように赤くただれてみえるため、仮性びらんと呼ばれます。実際は、ただれているわけでないため、偽(ぎ)びらんともいいます。子宮腟部びらんの8割はこの仮性びらんです。エストロゲンの作用による生理的な現象ですので、病気とはいえません。また、治療なども必要ありません。これに対して粘膜が炎症を起こしているのを真性びらんといいます。外傷および細菌やトリコモナスなどの感染が原因で起こる膣炎や、エストロゲン欠乏による萎縮性膣炎では、粘膜が障害され真性びらんが起こることがあります。

  

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