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四十肩
雑学大全2

デスクから手をのばして棚の書類を取ろうとしたら肩に激痛が走った。あるいは上着の袖に腕を通そうとしたら肩が痛くて腕が上がらない。中年と呼ばれる世代の人にこんな症状が出たら、それはおそらく「四十肩」である。だいたい四〇代から五〇代の人に多く見られるところから「五十肩」ともいい、ある日突然痛みはじめることが多い。しかも最初に激痛に襲われ、腕がまったく動かせない、あるいは痛みがひどくて寝られないといった症状になることもある。急に痛みに襲われるこの時期を急性期といい、やがて痛いながらも腕を動かせる慢性期、痛みが徐々にやわらいでいく回復期という段階を経てウソのように治っていく。といっても、症状に合わせたリハビリ運動を続けていればの話で、対処を誤ると肩関節が固まって腕の可動範囲を狭めることになる。四十肩、五十肩は、姿勢の悪さやストレスなどが原因の筋肉痛である肩こりとは異なり、肩関節の老化が原因である。肩関節は、いわば腕が筋肉と腱だけでぶら下がっている状態で、かなり「遊び」の部分が多い。だから腕は上下左右、前後と自由に動かせるのだが、動かすときにクッションの役割をしている滑液胞は、摩擦によって老化し、腱が骨に触れるようになってしまうのである。それが繰り返されて炎症を起こすと激痛が走ることになるのだ。ちなみにこの四十肩の正式病名は「肩関節周囲炎」という。たいていの場合、まず利き腕と反対側の肩に症状が出て、治りかけた頃に反対の肩に出る。肩こりとの判別の仕方は、痛みだけでなく、腕の可動範囲が狭くなる点だ。もちろん誰もが中年を過ぎるとこの症状が出るというわけではない。

  

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