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桜田門外の変
雑学大全2

日本の行く末に頭を悩ませ、幕府の弱体化に胸を痛めていた大老井伊直弼が、水戸藩士に襲われて命を落としたのが桜田門外の変だ。一八六〇(安政七)年三月三日、彦根藩邸から登城の途中のことだった。雪のなかを進む駕篭が襲われ、斬殺された井伊の鮮血で雪が真っ赤に染まる……というのは、幕末を扱った時代劇ではおなじみのシーンである。確かに水戸藩士たちは、井伊の首をはねた。護衛の武士たちとの斬り合いもあっただろうから鮮血も飛び散ったに違いないが、井伊直弼の死因は斬殺ではない。襲撃した水戸藩士たちはピストルを五丁も用意していて、駕篭を狙って撃っている。その弾が当たって動けなくなっていた井伊を殺したというのが真実に近いようだ。残されている井伊の遺体検分書には、「致命傷は、太腿から腰にかけての銃創」と記されているというから射殺ともいえる。ほとんどの記録が斬殺となっているのは、死後に駕篭から引きずり出されて首をはねられたからのようである。

  

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