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県庁所在地
雑学大全2

静岡県ならば静岡市、千葉県なら千葉市のようにわかりやすければいいが、神奈川県は横浜市、宮城県は仙台市と、必ずしも県名と県庁所在地が同じというわけではない。県名が県庁所在地と一致しない県は、全国で一六(東京都を含めると一七)あるが、どうしてこうなっているのだろう。三分の一以上が県名と県庁所在地が一致しないというのに、そもそもの原則は「県庁所在地名=県名」だというからさらにややこしい。一八七一(明治四)年の廃藩置県のときには、旧藩がそのまま藩の名前を府と県に変えただけなので、その数はなんと三府三〇二県もあったようだ。それが多すぎるということで、一八九〇(明治二三)年頃に、現在に近い一道三府四三県と一気に減少した。さらに数を減らすために、県同士が合併されたりするなかで、二つの大きな地区同士が県庁所在地を奪い合ったりしたため、県庁所在地名と県名が一致しない場合が多いようである。もう一つの理由には、幕末の戊辰戦争で幕府側について新政府軍と戦った人々の県に対して、明治政府が報復をしたからという説もある。また、県民に新しくなった「県」をアピールするために、仙台県、小田原県、松江県などでは、民衆のほうから新しい県名に変更しようという考えもあったようだ。なお、東京都は、現在の都庁の所在地は「新宿区西新宿二丁目」である。したがって県庁所在地名は「新宿区西新宿二丁目」ということになるが、一般に「東京」ということが多い。国土地理院の地図でも二三区の総称として「東京」という地名が使われている。これは、一九四三(昭和一八)年まで、現在の二三区域が東京市と呼ばれていたためで、その名残なのではないかと考えられている。

  

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