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下垂体疾患
標準治療

 下垂体は頭蓋腔の底部にある骨の箱であるトルコ鞍(あん)の中にあります。大きさはエンドウ豆程度です。視床下部と下垂体柄(pituitary stalk)でつながっています。視床下部と下垂体前葉の間には下垂体門脈があり、視床下部で分泌される種々のホルモンや物質が下垂体前葉に運ばれます。すなわち、成長ホルモン放出ホルモン(GH-RH)や甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)、コルチコトロピン放出ホルモン(CRF)、性腺刺激ホルモン放出ホルモン(Gn-RH)などが運ばれて、下垂体で、それぞれ成長ホルモン(GH)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体化ホルモン(LH)などの合成・分泌を高めます。
 このほか、視床下部から下垂体後葉に神経連絡路があり、抗利尿ホルモンの前駆物質はこの連絡路を通って下垂体後葉に運ばれます。下垂体前葉には種々の下垂体ホルモン分泌細胞があり、これが腫瘍(しゅよう)化するとそれぞれのホルモン過剰分泌症状となります。すなわち、成長ホルモン産生細胞の腫瘍では先端肥大症が生じ、プロラクチン産生細胞の腫瘍では高プロラクチン血症をきたし不妊の原因となりえます。またACTH分泌細胞の腫瘍ではクッシング病が生じます。しかし、ホルモンを分泌しない下垂体腫瘍もあります。何らかの原因により下垂体機能が低下すると、それぞれのホルモン欠乏症状を呈します。 (田嶋紀子)

  

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