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王ろじ
東京五つ星の肉料理

大正10年(1921)神楽坂で開業し、昭和21年に現在地に移ってからも変わらず、現当主・来住野正明さんの父にして創業者の来住野松蔵さんは、路地の王さま?つまり王ろじ?そのままに頑固一徹、かつ創意と工夫に富んだ人だった。食材や調理の仕方、器、店のロゴに至るまで、よそと一緒を嫌った。

肉をひたすら叩くのも、サンドイッチのパンを焼かずに蒸すのも、和洋折衷の麹仕立てのとん汁も、カップとソーサーが一体になったとん丼の器も?みんな松蔵さんのアイデアだ。

「客は大部分が常連。その人たちがみな昔の味を求めて来る。

父の作った味を伝えるのが、私の仕事かな」と来住野さん。

王ろじのとんかつはロースのみ。いい脂身をしょった肉から筋と脂身をほどよく削り取り、これを小さなハンマーで根気よく叩く。1本のロースを30〜40分叩いてようやく、甘い脂の味わいを残しつつ、ヒレ好きにも好まれるロースができる。

「正直、腱鞘炎が辛い。でも、これも親父の遺産ですから」

  

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