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一円玉
雑学大全2

一円玉をそっと水面にのせれば、一円玉は沈まない。一円玉の材料であるアルミニウムは立派な金属で、水よりも二・七倍も重たい。だから、本来ならば、その重さで沈んでいくはずなのである。にもかかわらず、一円玉が浮いていられるのは、水の表面張力が影響しているからだ。表面張力とは、簡単にいうと、水の分子同士が引っ張り合いをしている力のこと。水の表面では、上に引っ張ろうとする力がないため、水の分子で引っ張り合いできるのは、横のつながりの分子だけ。つまり、水平方向にしか力が働かないというわけだ。たとえば、コップになみなみと水をついでも、水滴がこぼれそうでこぼれないのも、表面張力のおかげだ。この表面張力のために、本来なら沈むはずの一円玉も、なんとか水の表面に浮いていられるというわけだ。しかし、表面張力にも限界がある。もし、一円玉がいまよりも大きかったり、厚みがあったりして、もっとアルミの量が増えれば、さすがの表面張力も一円玉を支えることはできず、一円玉は沈んでいってしまうはずだ。また、一円玉が水に浮くといったが、これはあくまで真水の場合でのこと。たとえば、この水に食器用洗剤を入れると、途端に一円玉は沈んでしまう。これは、洗剤が一円玉にくっついて、一円玉と水をくっつきやすくするからだ。表面張力は、水の分子が引っ張り合う力と説明したが、そこには自分たちの分子以外を排除しようという力が働いている。つまり、表面張力とは、水の分子同士が、手をつないでお互いに引っ張り合っていることで、ほかの分子を自分たちの縄張りに入れないことでもあるのだ。ところが洗剤は、水の分子とすぐにくっつく性質がある。そのため、洗剤がついた一円玉は水の分子にすぐにくっついてしまい、表面張力の支える力を利用できず、沈んでしまうのだ。

  

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