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レジオネラ肺炎
標準治療

 近年、リゾート施設、公衆浴場などでの集団発生が相次ぎ、注目されるようになった肺炎です。肺炎としては最近になって知られるようになったいわば新顔です。1976年、米国フィラデルフィアで開催された在郷軍人会総会で原因不明の肺炎が集団発生、多数が死亡、検索の結果、これまで知られていなかった細菌が発見され、レジオネラ菌と命名されました。その後の研究で、この菌は世界中の土壌、人工環境水の中に広く繁殖していることがわかり、誰でも思いがけぬところでこの菌を吸い込み肺炎にかかる可能性があることが明らかになり、対策が工夫されています。
 わが国での発症例は、温泉、サウナ、ジェットバス、24時間風呂などを利用した後の発症が約半数を占めます。温泉といっても、静かに湯船につかるだけなら問題はないのですが、しぶきが発生する場所・施設では、菌がそのしぶきの中に含まれていて、それを吸入して肺炎が起こるわけです。温泉以外の半数については、感染源はつきとめられていません。よく知られたもう一つのルートとして、ビルの屋上の冷却塔の水が汚染され、それが霧となって飛散し、建物の空調系に侵入するパターンが知られています。欧米ではこの形の感染が多いようですが、わが国では冷却塔の管理について行政の指導が進み、そこからの発生はあまり見られなくなりました。
 年齢を問わずかかりうる病気ですが、とくに50歳代から70歳代の男性に多く、なぜか女性の罹患率は男性の1/10くらいです。

  

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