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パキスタン
雑学大全2

パキスタンという国の名前は意外に歴史が浅い。一九三三年、「Now or Never」(「いまこそ」の意)というパンフレットを作り、イスラム教徒の多いこの地域にイスラム連邦国家を建国するように訴えていたチョードリ・ラフマト・アリーという青年がつけたといわれている。「PAKISTAN」とは、パンジャブの「P」、アフガンの「A」、カシミールの「K」、シンドの「S」、バロチスタンの「TAN」を組み合わせて、さらに「K」と「S」の間に「I」を入れて読みやすくしてできた名前だという。当時はイギリスの植民地であったインドやパキスタンでは、独立の気運が盛り上がっていた。しかも、インドの独立は目の前にある。しかし、インドにはヒンドゥー教徒が多いため、インドとパキスタンが統合してしまうと、イスラム教徒は少数派になり、結局ヒンドゥー教が優勢になってしまう。そのため、一九四七年、インドがイギリスから独立すると同時に、パキスタンはインドから独立した。民族の独立のためではなく、宗教が理由となって独立したケースは実は珍しい。なお、一九六〇年に定められた首都の名も「イスラマバード」(「イスラムの家」の意)と名づけられた。カシミール地方の奪い合いは、インドとパキスタン(と中国)の間でいまだに続いており、両国の紛争はなかなか絶えることがない。現在のところ、その領土は、カシミール地方の三分の一がパキスタン、三分の二がインドとなっている。両国の宗教が共存する日が、いつかやってくればよいのだが。

  

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