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もも肉
雑学大全2

脂が多くやわらかいトリの「もも肉」。値段も手頃で使い勝手がよいことから、食卓を任せられているお母さんたちにとっては、なくてはならない食材の一つでもある。ところで、トリのもも肉はトリのどの部分かご存知だろうか。よくよく考えると、トリの体の下に突き出た足の部分は細々としていて、もも肉らしい部分は見えない。しかし、人間もトリも脊髄動物の仲間である。どちらも遠い祖先は共通しているので、基本的な骨のつきかたは同じなはずだ。つまり、トリも人間と同じくもも肉があるのだ。ただ、トリの場合は人間と違って体の側面にへばりつくような配置になっているから、一見わかりにくい。なぜなら、トリは「飛ぶ」からである。飛ぶという行為は非常にたいへんな運動で、翼を強く動かすには大きな筋肉が必要とされる。その翼を動かすための重要な筋肉が「むね肉」である。このむね肉は無駄な脂がなく、筋繊維がびっしりつまっている。これが、あっさりとした味わいと弾力のある食感のゆえんだろう。その巨大で重いむね肉があったため、体の重心は前方にかかり、脚はその重心の下、前方から伸びている。すなわち、脚を一度体の前方に伸ばしてから重心のあたりまで膝を曲げ、膝下を重心の下(前方)から伸ばすという体勢で体を支えているのである。つまり、お尻(骨盤)から伸びているところに位置している部分が「もも肉」ということになる。一方、人間は体をまっすぐ起こすことができるので、脚はそのまま骨盤からおろすことができ、重心の下に脚を伸ばすことが可能だ。だから目に見える位置にもも肉がある。人間もトリも同じ二本足で歩くのだが、それぞれの習性に見合った体に構成されているのである。

  

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