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あざ(母斑)
標準治療

 生まれつきのあざのことを母斑といいます。ただし、遺伝性はありません。皮膚はいろいろな組織から構成されていますが、それらの組織は胎児の時につくられます。その際、皮膚の一部において、ある組織のできかたがまわりと違っていると(組織の分化異常)、変わった性質をもったその組織は全体の統制からはずれて増えてしまうことが起こります。その組織が、例えば、メラニンをつくるメラノサイトであれば、黒あざ(色素細胞母斑)、茶あざ(扁平〈へんぺい〉母斑)、青あざ(蒙古斑〈もうこはん〉、太田母斑)、血管であれば赤あざ(ポートワイン母斑、いちご状血管腫)ということになります。
 一方、母斑を組織の分化異常という見方ではなく、細胞の増殖という観点からみれば良性腫瘍として考えることもできます。したがって、ほくろ(色素細胞母斑)は、メラノサイト系の母斑であるとともにメラノサイト系の良性腫瘍でもあります。同じようにポートワイン母斑は別名単純性血管腫ともいいますが、それは血管系の母斑であり良性腫瘍であるからです。また、母斑症という言葉がありますが、これは、母斑を1つの症状とする全身性の病気全体を指します。これらの病気の多くは遺伝性です。皮膚と神経を中心に症状のある遺伝性の病気を神経皮膚症候群と呼び、多くは母斑症と同じ意味になります。母斑症の中の代表的な病気が、レックリングハウゼン病(神経線維腫症I型)とプリングル病(結節性硬化症)です。

  

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