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V字ジャンプ
雑学大全

スキーのジャンプ競技を見ていると、かつてはスキー板をそろえて飛ぶのが普通だったのに、最近では大半の選手がスキーの板をV字に開いて飛んでいる。これは、そろえて飛ぶよりもV字に開いて飛んだ方が飛距離が延びるからで、このV字ジャンプが導入されて以来、実際に飛距離は記録的に延びているのである。
では、なぜV字ジャンプの方が飛距離が出るのか。
これは揚力に関係している。揚力というのは物体を上へと押し上げる空気の力のこと。スキーのジャンプの飛行距離は抵抗力と揚力のバランスで決まる。抵抗力というのは前から吹き付ける風に対して働く力である。つまり、いかに抵抗力を小さくし、揚力を大きくするかが飛距離を延ばすポイントなのである。
ジャンプの選手を見ていると、彼らはスキー板を少し上向きにし、それと平行になるように身体を傾け、まるで板に体がくっつかんばかりの姿勢で飛んでいる。これを流線型前傾フォームという。
この姿勢で空中に飛び出せば、選手の腹面とスキー板の下に空気が当たり、体を押し上げる。これが揚力で、板をそろえていると、それに空気がさえぎられてしまうが、V字に広げれば、それだけ体にたくさんの空気が当たり、揚力が大きくなるというわけである。
スキーのジャンプは、飛行中の選手のフォームと、飛んだ距離によって採点される競技である。フォームだけを考えれば、スキー板をそろえて飛んだ方が美しいようにも思えるが、やはり飛距離を延ばすことが第一条件ということなのだろう。

  

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