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▼美貌と美味が仇でこの高値
旬のうまい魚を知る本

水深200〜700メートルの深海に生息し、底曳網漁、刺網漁、延縄漁などで漁獲される。岩礁地帯に定住し、大きな回遊をしない魚の例にもれず、このところ漁獲量は著しく減少している。小型化も目立つ。それらにともなって高値を呼んでいる。
煮付け、一夜干し、鍋、塩焼きなど、キチジはどのように料理しても極上に仕上がる。舌にのせると、むっちりとした感触のあとに、身がほろっとくずれて艶麗な味があふれる。この美味が人気を呼び、そのため資源減少を招いているともいえる。「大正から昭和にかけてはな、獲れすぎたために肥料用の魚粕にしていたそうだ」と老漁師のウソのようなつぶやきも耳にしたことがある。そんな時代に生まれて、腹が痛くなるほどキチジを食べてみたかった。
炉端焼きの店で飲んでいると、「キンキの一夜干しあります」という張り紙が酔眼に映ることがある。でも、値段をたずねてほとんどの場合、吐息をついて諦めることになる。

  

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