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▼貝に似ているけど貝ではない
旬のうまい魚を知る本

カメノテと聞いて、ああ、あれかとうなずけば、あなたは相当に磯の動物に詳しいか、よほどの食いしん坊といえる。一見すると貝に似ているが、節足動物の蔓脚(まんきゃく)類に属しフジツボの仲間。見るからにへんてこな生き物である。多くは全長3〜4センチ。外形は亀の前足にそっくりで、そのためカメノテ(亀の手)の名がある。土地によってはタカノツメと呼ぶ。広い地域でセイとも呼ぶが、この語源は残念ながらわからない。
カメノテは三角形の頭状部とそれを支える肉柄(にくえ)からなる。頭状部は30〜34枚の爪に似た殻に包まれ、そのうち8枚が大きい。肉柄は暗褐紫色の細かいウロコでおおわれる。海岸の岩礁の割れ目に肉柄で付着して群生し、殻のあいだから蔓状の脚を出して、プランクトンなどを捕食する。この奇妙な動物がなんとも美味なのだ。

  

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