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▼きびしい条件が美味なホタテガイを育む
旬のうまい魚を知る本

養殖ものでも、育った海によって風味や歯ごたえに違いがある。たとえば北海道瀬棚町の養殖ホタテガイ。「瀬棚の海がおだやかならば、全国どこの海もおだやか」といわれるほどの荒海で知られ、加えて沖を流れる奥尻海峡の潮流が速い。そんな厳しい条件を味方につけて、評判の高いホタテガイを育てているのが斉藤漁業の斉藤誠さんだ。
「籠の中とはいえ、荒れる海と速い潮にもまれて育つから運動量が多く、それだけ身が締まっている。ここのホタテガイに肥満児はいないよ」。
利別川の働きも見逃せない。清流日本一になったこともある川が、ルコツ岳などの雪解け水を集め、豊富なプランクトンとともに瀬棚の海へ注ぐ。この栄養がホタテガイの成長を早めるだけでなく、おいしくも育てるのだ。
斉藤さんは養殖方法にも創意工夫を重ねてきた。通常は籠1個の中に12〜15枚の稚貝を入れ、その籠を20段前後重ねて、いかだから海中につり下げる。斉藤漁業では1籠の稚貝を7枚に制限して、籠の数も15段と少なくしている。密集を避けることで環境を向上させ、活力のあるホタテガイを育てるためという。

  

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