さまざまに活用される「レーダー」
レーダーの技術は第二次世界大戦中(1939~45年)に実用化された。
電波を当て、その反射波で物体の位置を知るというシステムだ。
戦闘機ほどの小さな物体の位置を正確に知るためには電波の波長が短くなければならず、また、検知力をよくするには大出力でなければならない。
そこで開発されたのが、現在家庭でも利用されている電子レンジのマイクロ波発信装置マグネトロンである。
ところで、反射波から相手の正確な位置を知るには高性能のアンテナが必要である。
そこで利用されたのが、日本人の八木秀次、宇田新太郎の発明した「八木アンテナ」だった。
現在、テレビの受信アンテナに利用されているものだ。
第二次世界大戦の日本の敗因の一つはレーダー開発の遅れだといわれる。
相手国に自国の発明が利用されたのは、歴史的皮肉である。
レーダーは軍事用に開発されたものだが、現在では飛行機や船の運航には不可欠だ。
また、気象予報にもなくてはならないシステムである。
【執筆・監修】
中経出版 「雑学科学読本 身のまわりのモノの技術vol.2」 JLogosID : 8567127 |