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BSとCS


衛星からの電波を受けて放送を受信する方式に、BSとCSがある。同じようにも見えるが、違いはあるのだろうか。

現在、テレビ放送を受信するには三つのルートがある。

地上波、ケーブル、そして衛星(えいせい)だ。

衛星にはBSとCSの二つがある。

BSは放送衛星、CSは通信衛星の略である。

これらからの放送を総称して衛星放送と呼ぶ。

ところで、BSによる衛星放送(略してBS放送)とCSによる衛星放送(略してCS放送)は、どちらも衛星からの放送であり違いが不明瞭(ふめいりょう)だ。

どう違うのだろう。

結論から言うと、位置や周波数、出力等の当然の違いを別にすれば、二者の違いはないといえる。

実質的な違いのないものに異なる名称がついているのは、何とも紛(まぎ)らわしい。

実際、諸外国では、放送の世界においてBSとCSの区別はないという。

日本では、法律で通信と放送を厳格に区別している。

そこで、CSは企業など特定の相手に情報を送る「通信」を目的とする衛星、BSは不特定多数の視聴者が直接受信できる「放送」を目的とする衛星と定義づけられた。

このような経緯(けいい)から、日本ではBS、CSの区別が生じたのだ。

しかし、1992年に放送法が改定され、CSも「放送」に利用できるようになり、受信者にとっての区別は事実上なくなった。

BS放送とCS放送は同じといっても、位置や出力などの違いは当然存在する。

そこで、視聴するにはアンテナも異なるものを用意しなければならないが、110度CSと呼ばれる衛星からの放送、具体的には「スカパーe2」の放送を視聴する際には、BS放送と共用できるのが普通だ。

衛星放送の受信にはなぜパラボラアンテナを利用するのだろう。

理由は二つある。

一つは、衛星電波がマイクロ波を利用しているためだ。

マイクロ波は光の性質を強く持ち、光のように集光できる。

もう一つは、衛星の出力が100ワット前後と微弱なためだ。

広大な宇宙空間で100ワットの電球が輝いている様子を想像してほしい。

いかに微弱かが理解できるだろう。

そのような微弱な電波を受けるには、大きく集められるお皿の形がいいのだ。


【執筆・監修】


中経出版
「雑学科学読本 身のまわりのモノの技術」
JLogosID : 8567066

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この辞典について

 中経出版「雑学科学読本 身のまわりのモノの技術」

【著者・監修】 涌井良幸・涌井貞美 [link]
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