【東京五つ星の鰻と天麩羅】泥鰌の名店厳選5軒 > 台東区
どぜう飯田屋
【どじょういいだや】

主人の役目は割下作りと下足番

慶応年間(1865~68)に現在地に茶店を構えたのが店の起こり。のち一膳飯屋に変わり、やがてどじょうの人気が高まるにつれ、明治の中頃にどじょう専門店として定着した。
「うちは代々、割下作りと下足番は店主の役目でして、今でもその家訓は生きてるんです」と語るのは、現当主で4代目の飯田龍生さん。初代からの味を継承しつつ、みずから先頭に立ってサービスに努めている。
永井荷風、高見順、遠藤周作らの文士、またエノケン(榎本健一)や伴淳三郎、渥美清など一世を風靡した喜劇人たちに愛され、なかでも荷風はことのほかこの店がお気に入りだった。昭和25年から33年ごろは毎日のように訪れて、いつも決まった席で柳川とぬた、それに銚子1本を飲んで帰ったという。
どじょうは今では数少ない、青森県や茨城県産の天然もの。平日の昼限定のどぜう汁ご飯は、若い人たちにもどじょうの味を知ってほしいからと、超破格のお値段だ。
![]() | 東京書籍 (著:見田盛夫/選) 「東京五つ星の鰻と天麩羅」 JLogosID : 14070792 |